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NABLAS、GENIAC第3期で開発した日本語ファクトチェック用のAIモデル「NABLA-FC」を、Hugging Faceで一般公開

6 分前
読了時間: 4分

GPU 1枚で動作する軽量モデルにより、未公開の記事や資料の全文を外部AIサービスに渡さない構成を実現し、JSocialFactで正答率97%を達成



AI総合研究所として活動するNABLAS株式会社 (本社 : 東京都文京区本郷、 代表取締役 所長 : 中山 浩太郎、 以下「当社」)は、経済産業省および国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)が実施する国内生成AI開発の推進プロジェクト(以下「GENIAC」)の第3期において採択された「Factcheck RM とエージェントの開発研究」に関して、日本語のファクトチェックに特化したLLM「NABLA-FC」を開発・公開したことをお知らせします。


ネット上の偽・誤情報の拡散が深刻化する中、「NABLA-FC」をベースに開発した自社のファクトチェックエージェントでは単に「真偽のラベル」を返すだけでなく、判定の裏付けとなった一次情報やWeb上の出典明示を自律的に行います。報道機関、官公庁・自治体、企業の広報・リスク管理部門における情報検証コストを激減させ、安全かつ高精度なファクトチェック基盤を提供します。

なお、本開発は、経済産業省とNEDOが実施する、国内の生成AIの開発力強化を目的としたプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」の支援を受けて実施したものです。


◾️ 開発の背景と課題


生成AIの普及に伴い、SNSを中心に事実と異なる偽・誤情報が高速で拡散される事例が相次いでいます。これまで、報道機関や自治体におけるファクトチェック作業は1件あたり多くの時間を要し、一次情報の探索や照合作業が現場の大きな負担となっていました。また、既存のAIモデルでは真偽の結論のみが出力され、ハルシネーションなど根拠のない回答が生じるリスクがあり、実務での活用には判定プロセスの透明性と説明可能性が不可欠でした。



◾️「NABLA-FC」を活用したエージェントの主な特徴


1. 単なる分類モデルを超えた「判定根拠と出典」の自動明示

「NABLA-FC」は、入力された文章を最小単位の主張に分解し、自律的にWeb検索やページ訪問を行って最新情報を収集・照合します。真・偽・根拠不十分等の判定結果だけでなく、「なぜそのように判断したのか」という論理プロセスと、参照した具体的なWebページのURL・証拠要約をレポートとして出力します。


2. 強化学習による2段階の高度な学習プロセス

モデルの学習には、「教師ありファインチューニング(SFT)」と「強化学習(RL)」の2段階のアプローチを採用しています。

  • 教師ありファインチューニング(SFT):Rejective Fine-Tuning (RFT) によるデータ選別を採用 モデルに「正しい推論の導き方」と「ツールの使い方」を叩き込むため、高度な推論トラジェクトリから、正しい論理展開と適切なツール利用のデータのみを厳選してファインチューニング(SFT)を実施。

  • 強化学習(RL):GRPO によるツール選択能力の強化 検索ツールの最適な選択能力と、最終的な真偽判定の精度を限界まで向上させるため、モデルの予測スコアが正解と一致した場合は「+1」、そうでない場合は「-1」を与えるルールベースの報酬設計に基づき、Group Relative Policy Optimization(GRPO)による強化学習を実施。



3. 手元環境(単一GPU)で動く8Bパラメータと堅牢なセキュリティ

ベースモデルには8B(80億パラメータ)規模の軽量かつ高品質なモデル構造を採用しています。GPU 1枚の手元環境(オンプレミス・ローカル環境)でも高速動作可能なため、報道前の未公開記事や、機密性の高い社内資料の全文を外部のクラウドAIサービスに送信することなく、安全にファクトチェックを行うことができます。


4. 日本語ベンチマーク「JSocialFact」で正答率97%(32/33)を記録

ネット上の真偽不明情報に関する日本語ベンチマークデータセット「JSocialFact(33件)」を用いた精度評価を実施した結果、主要な汎用フロントランナーモデルを大きく上回る数値を達成しました。

  • NABLA-FC(RL適用モデル):97%(32/33件)

  • NABLA-FC(SFT段階モデル):94%(31/33件)

  • Gemini 3.1 Flash-Lite Preview:88%(29/33件)

  • GPT-4o-mini:73%(24/33件)


◾️ モデル・コード公開先


本モデルは、Hugging Faceにて公開しています。また、技術的な内容の詳細については当社の技術ブログにて解説・公開しています。


◾️ ユースケース


  • 報道機関(記者・デスク・ファクトチェック担当者)

現場の専門家と連携しし、拡散するSNS投稿や海外ニュースの一次調査・裏どり作業における実証実験では、確認作業の時間が約45〜60分から約10〜15分へと約75%削減(処理効率を約4倍に)することに成功しています。


  • 官公庁・自治体(広報・情報政策・防災担当者)

災害発生時や選挙期間中にSNS上で出回る噂・偽画像の早期確認を行い、住民向けの注意喚起や公式な訂正情報をスピーディーに発信し、社会混乱を未然に防止します。


  • 企業(広報・リスク管理担当者)

自社製品や役員・企業ブランドに関するレピュテーションリスク情報の早期検知・検証を行うことで、偽情報による風評被害が発生した際も、根拠データを添えた迅速な事実公表・対応が可能になります。


◾️ 今後の展望


NABLASでは、今回のプロジェクト成果であるモデルおよび関連技術をHugging Faceにて今後も順次公開してまいります。モデル公開により、さらなる日本語LLMの推論能力向上や、強化学習、エージェントシステムの社会実装に関心のあるエンジニア・研究者のコミュニティ形成を目指しています。また、社会の「情報の信頼性」を支える最先端のAIエージェント技術を共に研究・開発するエンジニア、R&Dメンバーを幅広く募集しています。


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